ぼくの映画評のぼうよみ

映画の感想を書き散らしてるだけ。

【ネタバレ】本郷奏多のロリータ女装と地雷撤去が見れるのは奴隷区だけ!~『奴隷区 僕と23人の奴隷』

僕は原作未読でマンガ版を途中まで読んでいる程度と、奴隷区にはたいして思い入れがあるわけではないが、マンガ版から漂う適度なエロと低俗さと安いサスペンスから、テレ東で深夜ドラマ化されるために生まれたような作品だな、と常々感じていたし、実写化も期待もしていた。

しかし連ドラではなく映画として実写化された本作は、登場人物が23人に及ぶ長編を100分の映画に収めるため、だいぶ内容を圧縮しており、秋元才加扮する荒川エイアと本郷奏多扮する大田ユウガを中心として物語が進み、その他の登場人物は数人の主人SCMキャラを除いてほとんど描き分けされないのが残念ではある。

原作やマンガ版を読んでいないと、なぜ登場人物たちが唐突にSCMにのめり込んでいくのか解らず、そのせいでキャラがさらにうすっぺらくなるし、物語も唐突に進んでおいてけぼりを食らうという一見殺しな仕様のうえ、SCM勝負での駆け引きや心理戦もあまり描かれないためサスペンス映画としても駄作という、一見まるでいいとこなしの作品だ(映像やセット、キャストなど全体的に安っぽいつくりなのはむしろ相応しいと思うが)。

ただ、主役2人はいきいきと描かれているので、彼らのファンならばそれなりに楽しめるだろう。

僕は秋元・本郷どちらのファンでもないが、スポーティでエネルギッシュ、勝気そうな秋元才加が勝負に敗れ、床をなめて掃除する屈辱的シーンにはちょっとだけ興奮したしロリータファッションで女装した本郷奏多くんにはさらに興奮した。女装姿そのものよりも、秋元に服を脱がされそうになって胸元をおさえるシーンを見て、何かに目覚めそうになった。

というか、ゴリゴリの文系男子である僕はあからさまに同類な本郷くんに感情移入して、体育会系女子秋元を屈服させたいけど、ダメ、やっぱり負けちゃう…みたいな展開に反応しちゃうんだろうな。ドMかよ。

 

f:id:ano_hacienda:20160316234901j:plain

本郷くん、秋元才加より腕細くない…?

 

クライマックスの三つ巴の戦いで本郷くんはリュウオウチームに負けて、秋元がリュウオウチームを下したから結果的に彼女の奴隷になっているはずなのに、最後の最後で秋元に勝負を挑んでいたりと、設定が破綻している箇所も多々あるけど、役者を見ている分には退屈しない映画である。

何より奴隷落ちした本郷くんが最後はカンボジア(?)で地雷撤去のボランティアをするハメになる、というカイジよりブラックなオチには草を禁じ得ない。

自分への執着心で凝り固まった義弟を「世界を広く見てもらいたい」という理由で地雷原へ送り出す秋元才加。斎藤洋介や鳥居みゆきよりお前が一番畜生じゃねーか。

 

 

奴隷区 僕と23人の奴隷 [DVD]

奴隷区 僕と23人の奴隷 [DVD]