ぼくの映画評のぼうよみ

映画の感想を書き散らしてるだけ。

傭兵部隊対アマゾネスの学芸会アクション~『ウォー・オブ・ザ・ジャングル』

久しぶりに褒めるところのない映画を観てしまった…。

とりあえずアマゾンの内容紹介を載せておきます。

美しき野獣の戦いが始まる

アメリカ軍隊に所属しているイナラ。ある日、彼女は、かつて自分の亡くなった父親が所属していた特殊部隊≪アスガード≫に入隊する。
その部隊の任務は、ヴァルハラ島という島へ上陸し、その島の天然資源を確保すべく本隊を援護することであり、まさに秘密傭兵業務であった。
そして、アスガード軍による上陸作戦は決行されるが、島の上空でイナラの乗った輸送機が、島の電磁場の影響を受けジャングルへ墜落してしまう。
イナラは命こそ助かるが、その島に古くから潜んでいる女ばかりの謎のアマゾネス先住民に囚われてしまう。
敵でないと見なされたイナラは、先住民のとの奇妙な生活を共にする事になり、やがて驚愕の真実を知ることになる・・・。

普通なら、さて、ここからどうストーリーが転がっていくか…というところなのだが、この映画に関してはこれでほぼすべて。

71分の映画で大体1時間くらい費やして上記の内容紹介のストーリーを展開し、残る10分で女王の忘れ形見だと発覚したヒロインがアマゾネスを率いてアメリカの傭兵部隊に逆襲するというお話。ラストの両軍の決戦なんて緊張感のないアクションシーンを2、3分垂れ流して終了だよ!?

あとヒロインは元々米軍所属みたいに書いてるけどケンカが強いだけの一般人だし、アスガードも米軍の特殊部隊ではなく傭兵部隊ですから!

とにかく冒頭の父の死を悲しむヒロインを延々映すイメージビデオみたいなシーンや上官がヴァルハラ島で亡くなった戦友と会話するシーン、ヒロインが入隊前に友達の家に遊びに行くシーンなど、後の展開につながらないムダなシーンやムダなセリフが多く、冗長な展開で内容を水増ししている印象。トータル71分なのに「長ぇよ!」としびれをきらしてしまう。作品の前半はそんなムダシーンの連続で、ヒロインたちが島に上陸するのは40分を超えてから。

しかし待ちに待って登場したアマゾネスも、筋肉質やデブもいて大してセクシーじゃないし、そもそも期待していたポロリがない。ヒロインはまあまあ可愛いしスタイルも良いのだが、やはり露出は期待していたほど多くないし、キャットファイトにもキレがない。倒されたヒロインが起き上がる前に女豹のポーズをとって髪を振ってしなをつくっている間にアマゾネスに再度蹴り飛ばされるシーンだけは笑ったけど。

アクションシーンも少ないうえにキレがなくて、傭兵部隊もなぜかアマゾネス戦では銃を使わずマチェーテみたいな湾刀で戦ってるし、バカなの?電磁波のせいで電子機器が使えないという説明はあったけど、銃は電子機器じゃないし、18年前の侵攻時は拳銃を撃っていただろうと。

アクションにも編集にもしまりがなくて情報の取捨選択もできない、思い付いたシーンを無軌道に垂れ流し続ける71分が終わると、エンドロールでは香港映画のような和気あいあいとしたメイキング映像が流れ出し、ああこれは学芸会だったんだ…、と遠い目になる作品であった。